【課題の出しすぎ禁止!】中学受験家庭学習で“やる気”を引き出す課題設定のコツ

中学受験

中学受験の勉強において、塾の授業や教材以上に重要になるのが「家庭での学習管理」です。

どの単元を復習するか、どの教材を使うか。
そして何より、「どれだけの分量を、どのように出すか」が、子どものやる気や理解度に大きく影響します。

わが家では、毎日の学習課題は父親である私が指定しています。
そして、私が何より大切にしているルールがあります。

それが、

その日の課題が終わったら、絶対に追加しない。

というものです。

この「追加しないルール」は、子どもの集中力ややる気を維持するうえで、とても効果的でした。


■ 「早く終わったら追加」はNG!やる気を潰す危険な罠

受験勉強を始めたばかりの頃、私は子どもの実力や集中力がまだよく分かっていませんでした。

そのため、課題を少なめに出してしまい、10分、15分で終わってしまうことがたびたびありました。

そのときの私は、素直にこう思ったのです。

「あれ?もう終わったの?じゃあ、これもやっておこうか」

…いけないことだとは知らずに。


▶ 「早くやると損する」という思考に変わってしまう

追加課題を出された子どもは、最初こそ何も言いませんでした。

でも数日後、態度に変化が表れます。

  • 課題に取りかかるのが遅くなる
  • だらだら時間をかけるようになる
  • 時間がかかっても「終わったー!」という達成感がない

つまり、「早く終わらせると追加される」という経験を通じて、
「急いで終わらせる意味ないじゃん」という思考に変わってしまったのです。

このことに気づいてから、私はハッキリとルールを決めました。

どんなに早く終わっても、今日の分はそれで終了。


■ 少なすぎてもダメ。量が多すぎると“やる気崩壊”のリスクも

では、毎日の課題は少なければ良いのでしょうか?

実はそれも違います。

実際、私も初期の頃に失敗しました。

  • 1日30分分くらいかな?と出してみたら、5分で終わった
  • よし、やる気あるな!と張り切って出したら、1時間たっても半分しか終わらない

そんな日が何度か続き、子どもは明らかに調子を崩しました。


▶ 終わらない課題にイジケてしまう子ども

特に、多すぎた日の反応は顕著でした。

  • 「多すぎて無理」
  • 「もう今日はいいや」
  • 「なんでこんなに出すの?」

終わらないとわかった瞬間に、完全に気持ちが切れてしまうんです。

そして、その後しばらく学習に対する拒否反応が続きました。

「無理だ」と感じさせてしまうと、やる気がゼロに振り切れてしまう

これは、小学生という年齢特有の“心理的限界”かもしれません。


■ 課題設定は“親の技量”が試される場面

このような失敗を繰り返してきた中で、私は思うようになりました。

家庭学習で一番難しいのは、分量の見極めだ。

塾で与えられる課題やカリキュラムは、あくまで「全体に向けた設計」。
でも、実際にそれをどうこなすかは、家庭ごとの力加減次第

  • 苦手な単元か?
  • 集中力の状態は?
  • 他の教科とのバランスは?
  • 今日は学校で疲れていないか?

こうした要素を考慮しながら、“その日の最適量”を調整する力が、親には求められるのです。


■ おすすめは「少し多めに出して、途中で“減らす”」

私が今意識しているのは、
「ほんの少しだけ多めに出しておく」という方法です。

具体的にはこんな感じです:

  • 今日はこれとこれとこれ、3セットやってもらおう
  • 本人がスムーズに進めていたらそのまま最後まで
  • 疲れてきたり、理解が不十分だったら途中でこう言います:

「今日、実はちょっと多めに出してたんだけど、この2問はやらなくて大丈夫。」

この“途中で課題を減らす”という声かけが、子どもにとって最高のご褒美になります。


▶ 「課題が減った」=「評価された」と感じる

子どもは単純なようでいて、意外と空気を読んでいます。

「ちょっと多めに出したんだ」という前置きをしたうえで、

「今日はすごくよくできてるから、残りはやらなくてOK」

と伝えると、子どもの中では

  • 課題が減った → 認められた
  • 頑張った分だけ、ちゃんと評価されている

と感じるようになります。

それが翌日のモチベーションに繋がっていくんです。


■ 課題は“途中で削る”がベスト。出しすぎて後悔する前に

私自身、今でも毎日の課題設定は悩みながらやっています。

  • 今日は学校で疲れてたから軽めに
  • 昨日はサボり気味だったから今日は少ししっかり
  • 苦手な単元なので基礎問題中心に

…と、子どもの様子をよく観察しながら設計しています。

それでも難しいのは、「どこまでなら大丈夫か」の線引き。

だからこそ私は、あらかじめ“少し多め”に出し、
状況を見ながら“引く”余地を残すようにしています。


■ 終わったら自由時間。ここまでがセット

大前提として、課題は終わったら終了。

これは何があっても変えません。

終わった後は、

  • 好きなテレビを見てもOK
  • ゲームもOK
  • 本屋に行っても、外で遊んでもOK

「課題さえ終われば自由」というルールが、子どもにとって最高のモチベーションになります。

そしてこれは、追加をしないからこそ成り立つ習慣です。


■ 「課題設定力」は受験期を通じて磨かれる

中学受験は、親も育つ機会です。

子どもの学習状況を見ながら、

  • 課題の量を調整する
  • 疲れている日は負荷を軽くする
  • 気持ちがのっている日は少しチャレンジを入れる

この繰り返しの中で、親自身の観察力や設計力も磨かれていくと感じています。


■ 最後に:課題を“追加しない勇気”と“引く技術”を

子どものやる気を引き出すには、

「もっとできるだろう」という期待を、表に出しすぎないこと
そして、達成感を守ってあげること

がとても大切です。

  • 早く終わっても追加は出さない
  • 少しだけ多めに出しておき、様子を見ながら「これはやらなくていいよ」と言う
  • 終わったらきっぱり終了

このルールを徹底することで、
子どもは「今日もやり切った!」という実感を持ち、
また明日も頑張ろうという気持ちを維持していけるのです。

中学受験は長丁場です。

毎日の課題設定に「技術」と「信頼」が求められますが、
その積み重ねが、確実に子どもを成長させていくと信じています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました