はじめに
中学受験を意識し始めたとき、多くのご家庭がまず直面するのが「情報の多さ」です。塾に通い始めると、宿題や模試の結果に一喜一憂する日々が始まります。しかし同時に、インターネットやSNSには膨大な体験談や学習法があふれており、つい「うちもやらなければ」と焦ってしまうことが少なくありません。
我が家もまさにその典型でした。初めての中学受験ということで、何が正しいのか分からず、他人の発信を読み漁っては不安になり、教材を買い足したり、過去問を早く始めようと考えたり…。けれど実際に子どもにやらせてみると、塾の宿題すら消化できない状態に陥り、親子ともに疲弊してしまいました。
結局のところ、初心者が最初に従うべきは「塾の先生の指示」なのです。
他人の発信に惑わされる理由
なぜ私たち親は、他人のブログやSNSにここまで影響を受けてしまうのでしょうか。
- 成功体験がまぶしく見える
「夏休みに過去問を10年分終わらせました」「毎日12時間勉強しました」といった体験談は強烈です。わが子がそこまでやっていないと「遅れているのでは」と焦ります。 - 我が子に当てはめてしまう
他の家庭の子が実践している勉強法を、そのまま我が子にも通用すると思い込んでしまうのです。しかし、性格も得意不得意もまったく違います。 - 親自身が安心したい
「これをやれば合格できる」という明確な道筋を探しているからこそ、情報を集めすぎて混乱してしまうのです。
塾の先生は受験のプロ
一方、塾の先生は毎年数百人の受験生を指導してきたプロです。合格に必要な知識や勉強の進め方を最もよく理解しているのは先生であり、塾のカリキュラムも膨大なデータに基づいて作られています。
初心者の親が焦って勝手に判断するよりも、先生の方が圧倒的に確かな道を知っています。だからこそ、「先生の指示を最優先する」という姿勢が、最も無駄がなく、子どもにとっても安心できるのです。
情報に振り回されるリスク
他人の方法をそのまま取り入れてしまうと、さまざまなリスクが生まれます。
- 子どもが混乱する
先生は「まだ過去問をやらなくてよい」と言っているのに、家庭では「とにかく過去問をやれ」となると、子どもは「どっちを信じればいいの?」と混乱します。 - 勉強の軸がぶれる
市販の問題集を買い込んでも、塾の宿題が終わらなければ本末転倒です。テキストをやり切ることが何よりも大事なのに、それが手付かずになってしまいます。 - 親が疲弊する
他人と比べることで「もっとやらなきゃ」と親が焦り、子どもへのプレッシャーも強まります。結果的に家庭の雰囲気も悪くなり、勉強どころではなくなります。
我が家の失敗談と気づき
わが家では、ある夏休みに「周りは過去問を始めている」というブログ記事を見て、過去問を買うか迷い、売切れたらどうしようと余計な心配ばかり…。受験する学校を全て買うのか?全然わからない状況でした。
後日塾から過去問の注文シートが届き、自分で買う必要がなかった事が判明し、過去問の購入も3校分だけ。子どもから「先生が、全部買っても終わらないからA校、B校、C校だけ買えって」だそうです。ABCはチャレンジ校、他のDE校は基本問題なので過去問を反復する必要はないとのこと。
塾ではDE校は通常のカリキュラムで十分対応可能ですし、基本問題として授業中に取り組むそうです。
先生に相談する習慣を持つ
不安になったときに一番良いのは、先生に相談することです。
- 「過去問はいつから始めればよいですか?」
- 「家庭で追加教材は必要ですか?」
- 「国語の空欄が多いとき、どうフォローすればいいですか?」
先生は子どもの成績や性格を見た上で、適切なアドバイスをしてくれます。親が勝手に判断して不安を抱えるより、直接聞いてしまう方が安心です。
中学受験初心者の心得
ここまでをまとめると、中学受験初心者のご家庭が大事にすべきポイントは以下の通りです。
- 塾の先生の指示を最優先にする
- 他人のやり方をそのまま真似しない
- 追加教材は先生に相談してから
- 不安は一人で抱え込まず質問する
- 親の焦りは子どもに伝わると心得る
まとめ
中学受験は情報戦のように見えますが、実は「誰を信じるか」が最も大切です。初心者のうちは特に、他の家庭の発信に惑わされると勉強の軸がぶれてしまいます。
だからこそ、「塾の先生の指示に従う」。このシンプルな方針が、合格への一番の近道です。
インターネットの情報はあくまで参考程度にとどめ、我が子にとって最適な道を知っているプロの先生を信頼すること。それが、中学受験初心者が迷わず進むための鉄則なのです。
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