中学受験を目指すご家庭にとって、夏休みはまさに天王山です。
多くの塾では朝から夕方までびっしりの夏期講習が組まれており、「夏を制する者が受験を制す」と言われるのも納得です。
我が家でもこの夏、朝からお弁当持参で丸一日、塾で勉強する日々が続いています。
しかし、先日思わぬイベントがありました。
■ 学校イベントと塾、どちらを優先するか?
夏休み中とはいえ、学校では友達と集まれるちょっとしたイベントが開かれました。
正直、欠席しても何の問題もない内容です。
ただ、我が子は「どうしても行きたい」と言いました。
塾を一日フルで休むほどではないけれど、イベントに参加するには夏期講習を途中で早退しなければなりません。
■ 世間の「受験最優先」とのギャップ
中学受験の世界では、塾を休むことは大きなハンディになると言われます。
むしろ学校を休んででも塾に行かせるご家庭も珍しくないと聞きます。
そんな中で、「学校のイベントのために夏期講習を途中で抜けるなんて…」と周囲から見れば甘いと感じられるかもしれません。
しかし、わが家は子どもの気持ちを尊重することにしました。
■ 勉強の土台は心の健康
塾で何時間も机に向かい続けるのは大変なことです。
子どもだってロボットではありません。
一日中勉強漬けにして、結果として心がすり減り、やる気がなくなる方が怖いと私は考えています。
実際に受験においても、最後に一気に伸びる子と伸び悩む子の違いは、心の持ちように左右される部分が大きいと信じています。
■ 「一回の夏期講習」と「一回の友達との時間」
もちろん、夏期講習の大切さは理解しています。
でも、それと同じくらい「夏休みの学校の友達との時間」も貴重です。
子どもにとって、勉強だけではなく、笑って遊んで、リフレッシュして、心が満たされる時間も必要だと信じています。
■ 先生に相談してフォローしてもらった
今回、学校のイベントに参加するにあたって、塾の先生には正直に話しました。
すると先生は「大丈夫ですよ」と、早退した分の進度を埋めるための課題を用意してくれました。
子どもにも「イベントに行くなら、この課題を終わらせようね」と約束し、本人も文句を言わずに取り組んでくれました。
■ 早退の結果はどうだったか?
結果として、途中早退した分の学習はしっかりと取り戻せました。
何より、学校の友達と楽しい時間を過ごしたことで、子どもの顔つきがとても明るくなったのが印象的でした。
夏期講習の疲れがたまってきた時期だからこそ、この「一息」はむしろプラスに働いたと思っています。
■ 「休む」ことを悪としない
中学受験の世界では、つい「1日も休めない」「少しでも多く問題を解かせなきゃ」と考えてしまいます。
でも、子どもは大人と違って、自分でストレスコントロールがうまくできません。
だからこそ、親が上手にバランスを取ってあげる必要があると感じます。
■ 勉強が嫌いになったら意味がない
どれだけ塾に行かせても、本人がイヤイヤ勉強していたら頭に入りません。
「やらされている感」が強くなると、効率はどんどん下がります。
「遊びたいけど塾に行かされている」ではなく、「遊んだからこそ、また勉強を頑張ろう」と思ってくれる方が結果的に良いと、今回の件で改めて思いました。
■ 親の覚悟と軸を持つ
もちろん、何でもかんでも「遊びたいから休む」はダメです。
わが家のルールは「子どもの意見は最大限尊重するが、最後の判断は親がする」。
今回も「行きたいなら、塾を途中で抜けても、その分は後で取り返す」という条件付きでした。
■ 受験勉強のペースメーカーは親
中学受験は子どもの戦いでありながら、実質的には親のサポート力が大きくものを言います。
子どもが「行きたい」と言った時に、どう対応するか。
全部をNOと言わず、YESにする代わりに条件をつける。
そしてその条件を一緒に守る。
この繰り返しが信頼関係を作り、結果的に「子どもが自分で考え、自分で頑張る」という力になります。
■ 夏期講習途中早退の是非まとめ
夏期講習を途中で抜けるなんて…と思うかもしれません。
でも、子どもが本当に行きたいと思ったなら、その気持ちを尊重してあげる価値はあります。
勉強はもちろん大事。でも、同じくらい子どもの心の健康も大事。
子どもの「やりたいこと」を無視して、無理に机に縛りつけていては逆効果です。
そして、塾に相談すればきちんとフォローしてくれます。
■ 最後に
この経験を通して、親として改めて学びました。
中学受験は成績表の数字だけでなく、子どもの心をどう整えるかがとても大事です。
塾を休まない、サボらせないのは当たり前。
でも、一回休むことで何かを取り戻せるなら、迷わず休んでいい。
必要なのは、「ただ休む」のではなく「どうやって取り戻すか」を子どもと一緒に考えること。
これからも、子どもの気持ちを大切にしながら、受験に向けて親子で歩いていきたいと思います。
コメント