中学受験というのは、子どもにとっても親にとっても、大きな挑戦です。
塾に通いながらの受験勉強。
学校の宿題、塾の課題、復習、テスト対策。
そして、それを管理する親の役割。
この“管理役”を誰が担うかによって、子どもの受験生活が大きく変わる——
そう実感する日々を、我が家も送っています。
わが家では、中学受験における塾のスケジュールや家庭学習の管理は父親である私が行っています。
「母親が子どもの受験をサポートするのが普通では?」と思われる方も多いかもしれません。
でも、実際にやってみると、父親が受験管理を担当することには、たくさんのメリットがあると感じるのです。
■ 私のやっていること:塾の範囲確認と課題の指定
中学受験の家庭学習サポートというと、つきっきりで教えたり、毎日の勉強を監視したり……というイメージがあるかもしれません。
でも、私のやっていることはとてもシンプルです。
- その週に塾で習った単元や進度を把握する
- 毎日取り組むべき「基礎トレ」や「解き直し」などの復習メニューを整理する
- 子どもの理解度に合わせて、副教材の中から“解けるであろう課題”をピックアップして指定する
- 解いたプリントは子ども自身に丸つけさせる
- 間違えた問題は再度課題として出す
これを繰り返すだけです。
■ ポイントは「自分で丸つけさせる」こと
勉強というのは、間違いから学ぶことの方が多いと私は思っています。
だからこそ、「自分で丸つけをする」習慣は大切です。
親が採点してしまうと、「怒られるかも」という不安や、「間違える=悪いこと」という空気が子どもに染みついてしまいます。
でも、自分で丸をつければ、
- 間違いに自分で気づく
- 「あ、ここがわからなかったんだ」と自覚する
- 再挑戦するきっかけができる
という、学びの好循環が生まれるのです。
私はそこに「じゃあ、この問題をもう一回やってみようか」と再課題を追加するだけ。
これが、本人が主体的に学びを進めるための環境づくりだと思っています。
■ なぜ母親ではなく、父親が“管理役”なのか?
ここが、今回一番伝えたいところです。
我が家でも、最初から私がこの役割を担っていたわけではありません。
最初は、やはり妻が学習のサポートに入ることが多くありました。
ところが、ある時ふと気づいたのです。
母親が受験管理を担うと、子どもへの“ガミガミ”が増えてしまう——と。
■ 一緒にいる時間が長いからこそ、ぶつかりやすい
お母さんというのは、子どもと一緒にいる時間が長く、細かい部分まで気がつきます。
「なんでこの問題、また間違えたの?」
「昨日も言ったでしょ?」
「ちゃんと集中しなさい!」
そんな言葉が出てしまうのも、子どもを思えばこそです。
でも、子どもにとってはその「ガミガミ」が、大きなストレスになります。
- 勉強が嫌になる
- お母さんに怒られるのが嫌でごまかす
- 自信をなくしてしまう
せっかくの受験勉強が、苦しいものになってしまうのです。
■ 父親ならではの“ちょうどいい距離感”
一方で、父親は仕事がある分、子どもと向き合う時間が限られています。
この“時間の少なさ”が、実はちょうどいい距離感を生むのです。
- 日中は仕事で不在 → 勉強に干渉しすぎない
- 夜や週末にフォロー → 子どもも集中して聞くモードになりやすい
- ガミガミ言う時間がない → 口出しが少ない分、信頼感が残る
私自身、「完璧に管理しよう」とは思っていません。
ただ、子どもが道に迷わないように、週単位・日単位で進むべき道を“うっすら照らしてあげる”。
そんなサポートが、父親にはちょうどいいと感じています。
■ 父親ならではの「俯瞰力」と「課題の最適化」
また、父親が中学受験に関わるメリットの一つに、「俯瞰力」があると思います。
- 塾の進度
- 学校の宿題
- 過去のミス問題
- 本人の得意・不得意
これらを冷静に整理して、最小限で最大効果の出る課題を選ぶ。
母親が「全部やらせなきゃ」と思い詰めがちなのに対し、
父親は「やるべきことを絞って与える」ことが得意なケースが多いように思います。
「解けるであろう副教材」だけを課題に選ぶのも、そうした視点からです。
■ 子どもが甘えすぎない距離感を保つ
そして、何より大きいのは、
父親だと子どもが甘えすぎない
という点です。
お母さんにはどうしても甘えが出やすく、
「ママがやってくれる」「聞けばなんとかなる」となりがちです。
でも、お父さんだと、そうはいきません。
- 「聞いても答えてくれないかも」
- 「自分でやらないといけないな」
- 「でも聞けば、ちゃんと助けてくれる」
そんな“絶妙なバランス”が生まれるのです。
■ 中学受験を家族で乗り越えるために
もちろん、家庭によって状況はさまざまです。
お母さんがサポートする方がうまくいくご家庭もあるでしょう。
でも、もし「最近ガミガミが増えてきたな……」と感じていたら、
父親が一歩引いた位置でマネジメント役を担うのは、とても有効な方法です。
■ 最後に:管理は“手をかけすぎない”ことがカギ
「管理する」というと、「つきっきり」「細かく指導」するイメージがありますが、
実は中学受験では、“手をかけすぎないこと”こそが、子どもの力を引き出すカギになると私は感じています。
- 指示は明確に、でも口出しは最小限に。
- 間違えたことを責めず、再挑戦の機会を与える。
- 自分で○をつけさせ、自分で気づかせる。
- 疲れているときには、無理に詰め込まない。
こうした“ちょうどいい距離感”を保つためには、
父親の役割が、実はとても向いているのではないか——そう実感する日々です。
我が家の中学受験サポートは、まだ道半ば。
でも、これからも“管理しすぎず、関わり続ける”姿勢で、
子どもが自分の力で歩いていけるよう、支えていきたいと思っています。
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