■ サイコロ遊びは高学年でも楽しい!
サイコロ遊びと聞くと、小さなお子さん向けの遊びだと思われるかもしれません。実際、以前の記事では、1〜2歳からできる「サイコロで数の概念を学ぶ遊び」をご紹介しました。
1個のサイコロで大小を比べたり、2個のサイコロで足し算を楽しんだり…そんな“数あそび”は、低年齢のうちから自然に数に触れるきっかけになります。
ですが、子どもが小学校高学年になると、同じ遊びでは物足りなさを感じ始めるようになります。
そこで我が家では、新たに「多面体サイコロ」や「四則演算」を使った、ちょっと頭を使うサイコロゲームに進化させてみました。
これが予想以上に楽しく、かつ学びが深い遊びになったので、今回はその体験をご紹介します!
■ 多面体サイコロで遊びの幅が広がる!
6面サイコロはどの家庭にもあるおなじみのサイコロですが、実は今では12面・20面・30面サイコロなど、多面体サイコロが簡単に手に入る時代です。Amazonや100均などで気軽に購入できます。
特に、30面サイコロはインパクト抜群!
数字が1〜30まであるので、振るだけで「おっ!28だ!」とワクワクします。
この数字を使って、ちょっとした算数パズルのような遊びを取り入れるのが、今回ご紹介するサイコロ遊びです。
■ ルールは簡単!30面+6面×2〜3+12面で四則演算ゲーム!
このゲームでは、以下のようなサイコロを使用します:
- 30面サイコロ ×1個(目標の数字)
- 6面サイコロ ×2〜3個(計算に使う数字)
- 12面サイコロ ×1個(計算に使う数字)
目的:30面で出た数字を、他のサイコロで出た数を使い、四則演算(+−×÷)で作る!
たとえば…
- 30面 → 目標値「24」
- 6面 ×2 → 「4」「3」
- 12面 → 「6」
この場合、
→「(4+3)×6=42」は違いますが、
→「6×4=24」なら大正解!計算方法は無制限。カッコを使ってみたり、割ってからかけたり・・・。
サイコロの数が増えることで組み合わせも増え、試行錯誤する過程で自然と計算力・発想力が鍛えられます。
■ 試していくうちに「できる・できない」が分かれてくる
何度もこの遊びを繰り返していると、子どもはこんなことに気づき始めます。
「この数字、どうやっても作れない…」
「割り切れないし、掛けても届かない…」
そう、サイコロで出た数からどう頑張っても作れない数が出てくるのです。
実はそうした作りにくい数字は“素数”であることが多いんです。
たとえば、17・19・23・29などの数字は、1とその数自身以外では割れないため、計算で作るのがとても難しい。
一方で、12や18、24といった数字は、いろんな掛け算や足し算で作りやすい。
この差に気づくことで、子どもは自然に「素数」という存在を体感的に理解することができます。
■ 体感するからこそ「忘れない知識」に
素数や倍数、公倍数・公約数などの概念は、小学校高学年〜中学校にかけて学ぶ内容です。
でも、いきなり教科書で「素数とは〜」と出てきても、ただ暗記するだけで終わってしまう子がほとんどです。
しかし、このサイコロゲームでは、体感を通して「どうしてこの数字は作りづらいのか?」を自分で考えるきっかけが生まれます。
- 割り算ができるか?
- 掛け算で届くか?
- 何通りの組み合わせが考えられるか?
- 余りが出てしまうのはなぜか?
こうした“失敗と試行錯誤”の中でこそ、数の本質が身についていくのです。
■ 子どもの発言に成長が見える!
実際に遊んでいると、こんな発言が出てきます。
「これ素数じゃない?だって1と17しかないし」
「24なら3×8でも6×4でもいける!やりやすい!」
「30作るには、6×5、10×3、でもこのサイコロじゃ無理だ!」
こうした言葉は、単なる計算ではなく“数の特徴”を理解し始めている証拠です。
親としては、これ以上にない成長の瞬間を見ることができます。
また、時には親も解けない数が出てくることもあり、
父「ん?これは・・。無理か?」子「あっ!できたできた!イエーイ!」という流れになれば、
一緒に学ぶ姿勢や大人にも負けなかったという自信も身についていきます。
■ 応用ルールでさらに発展!
慣れてきたら、次のようなルールを追加してみても楽しいです:
- 【タイムアタック】制限時間内に式を考える
- 【得点制】ぴったりゴールなら3点、近ければ1点など
- 【制限ルール】×と+だけ、割り算禁止など
- 【分数導入】小数・分数の計算をOKにして中学内容へ発展
遊びながら算数の世界を広げられるので、苦手意識のある子にもおすすめです。
■ 親子で「答えのない問題」に向き合う体験を
この遊びの最大の魅力は、親子で一緒に考える時間が増えることです。
正解が一つとは限らない。
できないときは、なぜできないのかを一緒に考える。
ひらめき次第で大人にも勝てる。
こういった“プロセス”を共有することで、
子どもは「わからないことに向き合う力」や「自信」を自然と身につけていきます。
■ まとめ:高学年の今だからこそ、遊びが学びに変わる
今回ご紹介したサイコロ遊びは、シンプルながらとても奥が深く、
高学年の子どもにぴったりな「楽しさ」と「学び」の両立ができる遊びです。
- 6面サイコロを複数個+12面サイコロで式を作る
- 30面で出た数字をゴールに設定する
- 素数・倍数・公約数などの算数的思考を自然と育てる
- 親子で一緒に考える楽しさがある
机に向かう勉強だけが学びではありません。
遊びの中で出会う“ひらめき”や“気づき”こそ、子どもにとって一生残る学びになるかもしれません。
ぜひ、次の休日にサイコロを持ち出して、親子で楽しんでみてください!
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